新着情報
-
Feb24
2015
2月20日(金)墨田区押上訪問レポート 中川 愛理沙
-
2月20日 墨田工場見学に行って
川合染工場では、代表取締役の川合創記男社長からお話を伺った。確立した染の技術で有名なミヤケイッセイ、コムデギャルソンなどをはじめとするデザイナーの中で圧倒的な支持を得ている染工場である。川合染工場の特徴は形になった製品を染めることである。元々は肌着の染色からスタートした会社だが、アクリル染の輸出産業に携わっていたが、対米輸出の停止などの影響で、打撃を受けた。そんな時会社を救ったのが、今でも有名ブランドとして知られている35色展開のベネトンのセーターだったと言う。肌着という染技術に強みを持っていた川合染工場はとにかく得意な技術だけを追求し今に至る。そして、1ヶ月で約28万枚も染め上げると言うので繊細な作業にも関わらず丁寧にかつ正確に大量の衣類を染め上げている事に私は驚いた。川合創記男社長はとても気さくな方で新橋ブルーが好きな色のようだ。色には妥協せず、気に入った色が店頭にあれば1時間ほど眺めて脳裏に色を焼き付けるという。そんな社長がいるかこそ世界に認められる染の技術が守られているのだと感じた。
東日本金属では、代表取締役小林謙一さんの息子小林亮太さんからお話を伺った。昔ながらの手作業中心の鋳造法により主に建築金具を製造している企業である。建材、設備機器、金物メーカーからグレードの高い商品ラインの製品製造を任されている。大量製造品ではなく数個から数百個程度を一つずつ丁寧に作り上げるのが東日本金属の特徴であり、絶大な信頼を得ている部分もそこにあるのではないかと私は考える。主に鋳造が行われている部屋は震災の焼け跡から奇跡的に残っていた部屋を先祖代々受け継いでいるという。東日本金属に伺い改めて家族の絆や技術だけではなく先祖が築き上げてきた場所なども受け継ぐと言う大切さを知った。
深中メッキでは、代表取締役の深田稔さんからお話を伺った。世界シェア100%の製品や50%を超える製品を手がけるほか、エンジンの精密機械や電子部品、医療機器部品等、幅広く表面処理を行っている中小企業である。女性に嬉しい亜鉛の優れた活用性を知ることができ今後の管理にとてもためになる話を伺う事ができた。深田稔さんは今の会社を立ちあげるまでとても苦労なさった方で私達に教えてくれる一つ一つの言葉に重みがあり胸を打たれるお話を聞くことができ、工場見学とは別に今後の人生を歩む糧を学べた場所で、諦めない大切さを知った。
ヨシズミプレスでは、専務取締役の吉住研さんからお話を伺った。3次元CADや金型設計製作、プレス、修整、量産加工に至るまで社内で一貫した生産を行う中小企業である。一見プレス工場と言ったら機械音が響きわたる暗闇の中で作業をしているというイメージがあるが、ヨシズミプレスでは明るい工場作り、今までの観念を覆す目標を掲げながら工場の発展に根ざしているという。アットホームな社内では元気な3人の子供達とふれあいながら日本の優れた機械技術を目の当たりにする事ができた。
すみだ中小企業センターでは、深田稔さんからお話を伺った。深田さんは集合時間に私達に渡したネガティブな言葉をポジティブな言葉に変換する解答を下さり決して答えはないがこの考え方こそが未来を担っている私達に一番足りないことではないかと考えさせられた。自分自身で短所だと思ってる所は考え方を変えれば自分にしかない個性であり最大の長所なのだ。短所をも長所に変えてこれから意識高く取り組まなければならないと思う。
又、中小企業では最初に作られたKOSEIのからくり時計がある。現在ではもう動かないが、動かない物でも大切に取って置くと言う姿勢に感動を受けた。
今回墨田区の町工場を見学して日本に誇れる物がこんなにもたくさんあるということを知りました。文化や伝統の大切さは勿論のこと家族の絆や今後の人生の糧を学ぶ事ができ二度とない機会にミスとして参加させて頂けた事に改めて喜びを感じました。学んだ事を忘れずに今後の活動に生かしたいと思いました。