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Feb26
2015
2月20日(金)墨田区押上訪問レポート 藤波 優紀
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-墨田区企業訪問レポート-
一番はじめに訪れたのは川合染工場です。
以前アパレル会社で働いていた私にとって、とても興味深い染工場。
イッセイミヤケ、コムデ・ギャルソン、トゥモローランドなど、ファッション業界では注目度の高いブランド商品の「染」という作業が、
墨田区で行われていることは初めて知りました。
下町ののどかな雰囲気の中に建つ、創業1951年の川合染工場では、オリジナルの機械を発明したことにより、
年間87万5千枚もの商品を染めることが可能になったそうです。
一日最高5千枚染めることができるのは、この川合染工場だけということでした。
色の種類は5年間データに残し管理しているので、色番号を伝えればいつでもその色を再現できるそうです。
5年間で約20万色もの色が生まれ続けているということにも驚きました。
川合社長の「色は無限大」という夢のある言葉が耳に残っています。
次に訪問したのは、1918年創業の鋳物専業メーカー「東日本金属」
歴史的建築物に使われている金物の復元製造や、建築金具を製造していて、その作業はほぼ手作業で行われています。
実際にその作業を見学し、見たことのない職人技に圧巻でした。
水分の管理が行き届いている天然の砂で型を制作するところから始まり、金属を溶かし液状化したものを型へ流し、冷却、研磨を行い
溶湯を確認します。
その作業はまずテストとして一度行われ、問題がないようなら本格的に注湯作業に入るそうです。
そして、そこから仕上げ加工、組み立て、検査を経て完成。
一つの金具を作るのに毎度この作業が手で行われているというのを目の当たりにし、感激しました。
古くからの職人技、手作業だからこそ生まれるこだわりは他にはない美しいものでした。
皆さんにもこの職人魂を一度は見て欲しいと強く思いました。
続いて訪問したのは、世界シェア100%の製品やF-1のエンジンの精密部品、医療機器など幅広く表面処理を行っている、深中メッキ工業。
素材そのものを綺麗にしてからメッキを付けるため、機能的にも良く、また薄くて大きなメッキができるのが大きな特徴のひとつということで、
その技術は大手企業にさえ真似できないそうです。
実際に、事前に預けていた汚れた5円玉が見たことのないほどの綺麗にな姿で帰ってきました。
複数の薄い酸を通して油や錆びを落とし、表面の凸凹をなくす前処理をしてからメッキでコーティングしているそうです。
そして、今私たちに欠かせない携帯電話に使われているリチウム電池は、この深中メッキの技術により、世界に出回っているということに
大変驚きました。
代表取締役社長の深田さんは「諦めなければ、必ずそのものに近づくことができる。」と最後に話していました。
深中メッキで務める社員の方を学生の時から支援し育成しているそうで、人を想う心とその技術が生まれたのには、
何か深く関係しているのでははいかと思いました。
最後に、金型製作から順送プレス加工まで一貫生産を行っている、株式会社ヨシズミプレスを見学しました。
まず目に飛び込んできたのは、23台ものプレス加工機。
ガチャンガチャンと薄いアルミやステンレスが流れプレスされていき、音が鳴る度に形が変わり、部品が完成されていきました。
その過程が面白くついつい長い時間見入ってしまう程でした。
機械というと現代的に思いますが、60年以上にわたりプレス加工業を行っているそうで、私たちの身近にあるボールペンのクリップ部分や
壁に付けるフックなどの文房具をはじめ、自動車部品や、弱電部品など幅広く生産しているそうです。
あれほど工程数を減らすことができ、コンパクトな金型を製作できるのは、長年の経験と技術があるからこそだと思いました。
1日では足りないほどの墨田区の魅力を感じました。
毎年8月に行われている隅田川花火大会や、2012年に開業したスカイツリーだけでなく、古くから伝わる技術や伝統を実際に目にする
ツアーがあったら嬉しいです。